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フィールドワークノート

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ものがものとして出来上がっていくまでには、何人もの人の技術と時間が必要です。drop aroundが企画・デザインした紙のプロダクト製品にも、印刷をかけたり、切ったり、貼ったり、型で抜いたり、鑞(ろう)をひいたり、パッケージして店頭に並ぶまでにも、たくさんの手間ひまがかけられています。それら工程のすべてを、日本国内の工場さんが担当してくれています。

どんな風にして、私たちの製品はできあがっていくのだろう、という素朴な思いが湧いて、岡山にあるいくつかの製造工場を訪ねた時のこと。製造の現場には、大きくてすごいことができる機械もたくさん並んでいましたが、印象的だったのは、機械の性能や回転率の良さではなく、製品をイメージ通りに仕上げるべく手間ひまかけてくれている「人」の姿でした。


手仕事や作家ものと違って「工業製品」と聞くとなんでもかんでも機械が自動でやってくれるのかと思いがちですが、現場で工程を見れば見るほど、どんなに機械化が進んでもモノというのは、人の意志と手によって作られ、完成してゆくものなんだなあということが、ひしひしと感じられたのです。たとえば、綺麗に仕上がるように何度も機械や型を調整したり、寸分の狂いが出ないようにディティールにまで目をくばったり、これでヨシ!と判断するのも、壊れたり破けたりしないように、そっと誰かのもとに運ぶのも、手のちからであり人のちから。自分の目に映っていなかっただけで、こんなにもたくさんの人の手を経てものは出来上がるんだ、とはっとする思いでした。


たくさんのモノに溢れかえる社会の中にいて、世の中にあるものはどんなものでもすべて、誰かが手間や時間を使って作っているという当たり前のことを、使い手でもある自分達がすっかり忘れていたことも、ショックでした。人が使うものはすべて、人の知恵や手の技によって作られている、、、というのは、どんなものでも共通です。今、目の前にあるPCも、ペンもノートも、ハサミも珈琲も、いろんな人の手を経て、いまここに届いているものなんでしょう。ものの裏がわには、隠れたチームワークや物語がいっぱいあるのだと思います。それが知らぬ間に伝わっているから、ものを側に置いて楽しい気分になったり、遠くまで届いてゆくのかもしれません。


よく考えて大事に作られたものは、人知れずピカピカしている。そういう気配は、どれだけものごとや人が進化していっても、ちゃんと伝わることのように思います。

だからこそ、自分たちにとっての「いいもん」をよく見極めて、ピカピカと人の心までもあたたかく照らせるものを作れたら。それには、ものの裏側にある光にもっと目を凝らすことが大事で、ものづくりの現場を支えてくれている日本の職人さんたちの、すばらしくて、丁寧な技術のこと、ものに対する愛情や心意気の中にも、大きなヒントがある気がしています。ものづくりを通してみえる世界はまだまだ遠く遥か彼方まで続いているようです。フィールドワークの気持ちでものにまつわるいろいろなこと、見聞きしたことをここでもお伝えしていけたらと思います。


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