白の正方形、黒の円

2015.01.21

coffee-and-ceramics

珈琲が好きで、ほぼ毎日豆を挽いて淹れて、飲んでいます。
dropは石田珈琲店の甘苦をいつも愛飲。
どんなに美味しい珈琲でも、惜しむことなくがぶがぶ飲んでしまうので、
普段は大きなマグカップか大きめの湯のみで日に何度も飲むのですが、
仕事をはじめる朝の1番目の1杯だけは、小さめカップで頂きます。
白の正方形に、黒の円を添えたようなグラフィカルなテーブルに変身。

このカップは岐阜に住む陶芸家・吉田次朗さんのもの。
カップの下にひいている正方形の板皿も次朗さんの手から生まれたものです。
小さな皿でもあるけれどタイルのようにも見える。綺麗な薄さです。
(その下の布のは、洞爺のNiiさんによるマルチクロスで正方形。正方形ラブです。)
次朗さんの作品は、実用の器であっても、
ちょっと時代不明・国籍不明の顔つきをしていて、古いものかあたらしいものかわからない佇まい。
質感もざらざらだったり、ツルツルだったりいろいろですが、独特の造形で他で見ないフォルムをしています。
モビールなんかもあります。格好いいです。

dropがはじめて彼の作品を見たのと、はじめて次朗さんとお会いしたのは同時で、
10年ほど前に旅の途中に訪れた福岡の骨董市での出会いでした。
古道具屋さんが出店しているブースの片隅に並んだ陶製の小さなラッパや器を見て、一目見るなり虜。
触っていいですか?これは古いもの?誰が作ったもの?と質問攻め。
それににこにこ答えてくれたのが、吉田次朗さんご本人だったのでした。

生み出される作品や次朗さんならではの感性にもいつも驚かされ続けていますが、
クールな作品とは対照的に、お人柄も温かくてずっとファンです。
超人気作家なのに偉ぶらないあの雰囲気も、10年経っても変わりません。
同年代、しかもそれぞれの子供が生まれたタイミングまで一緒で、家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。
その次朗さんが6月、作品と共に札幌にやってきます。
今からものすごく楽しみ。ぜひご期待ください。
また何か共作ができないか、楽しい相談を重ねてM&Wにお迎えしたいと思います。
次朗さんのカップで珈琲を飲みながら、6月の爽やかな札幌の空気を思い出しているところ。
雪に埋もれに埋もれた今この場所で、初夏を想像するのはなんともシュールですが、
白い白いこの景色も、やがて美しい緑に染まるはず。
それまで、飽きもせずに降り続ける雪とつきあいながら、
春の訪れと、その先に待っているお楽しみをのんびり待つとしましょうか。