パンと経済

2013.03.03

うちの娘はたべることがとりわけ好きである。
1歳9ヶ月の彼女のごはんライフは朝晩が家、昼食+おやつは保育園で食べており、保育園ごはんも野菜中心でよく工夫されていてとっても美味しいらしく、食べることにさらにどん欲になった気がします。ええことです。離乳食時代から「よく食べるなあ」と思ってごはんを作ってきたけれど、食べられる食材や調理の幅も広がってきて、それに後押しされて、私たち親も日々食べることばかり考えている。もちろん常に仕事を抱えているのであまり手はかけられないけれど、自宅での作業中心でほぼ3食自炊が基本なので、
自動的に休憩=料理、食事なのです。

最近は、お昼にピザかフォカッチャを焼くことにチャレンジしています。(レシピはつむぎやさんの粉ものレシピ。長く頼りになります!)我が家は米、小麦、野菜、珈琲の順で消費率が高いのですが、この中で家庭内自給率をあげるとしたら小麦(パン、お菓子)だな、と。幸い、近所にもすごく美味しい天然酵母のパン屋さんがあるし、周りにもすばらしいパンやお菓子の作り手が何人もいるので、どうしても美味しいものが食べたいときは顔が見える相手から買えばよくて、でも粉と少量の具材とちょっとの手間で自分でも作れる、というのが理想です。粉道(てなんだ)を追求していくと別なのだろうけど、仕事の合間や休日にちゃっと食べる程度ならば、手作りのへなちょこパンやケーキでも、家族みんな満足。

自分の手でつくる、というのは何においても、自立への道のり、という感じがしてなんとも自由な気持ちになりますね。こんな簡単で楽しくて、出来上がったら美味しいものなのかー!と、味噌以来、本当によく思う。そして、なんでも簡単に買って済ませていたなーもったいないなーとも。ここでいうもったいない、は節約術的なことでなく、作る楽しみへ向けたもったいなさ。手間を省いてお金で解決することのつまんなさ、とも言いかえられるかも。自力でチャレンジして手間をかけてみると、いろいろなしくみを少しずつ知れてたいそう面白い。その面白さを、何も考えずに(買うことで)簡単に手放すのはなんだかもったいないかも、と思うのです。自力で作ることを知ると、お金という対価を払う納得にもつながる気がしてます。その道のプロでないからこそ、自分でやってみて初めて知れることは多くて、野菜でもパンでもこんなに美味しいものを作るには、時間や技術があれくらい必要なんだろうな、この値段てことは原料もいいものを使っているんだろうな、とか判る訳で。お金を払うときにもありがたい気持ちになるし、気持ちよく払えるようになる。

気持ちよくお金を払う人が増える、とか納得してお金を使う人がどんどん多くなるって言うのは、小さな規模から経済が活性化することなのでは?と思うのだが、違うのだろうか。なぜか昼ごはんパンから経済の話になっていっていますが、遠い国の原油価格に振り回されたりするのはめんどくさいので、何か身の回りの小さいレベルから経済らしきものを見直すことはできないかと考えてみると、自分たちの場合は手を動かしてものごとを発見することが多い。少なくとも、自分たちの経済は、人と人の間に発生する技術やサービスにリスペクトがないとうまくまわらない。だから、煮詰まっても煮詰まらなくても、手は動かし続けるのが良い、と思う。