キクチジュンコ「布の道具」at十一月藻岩 DM

2018.10.05


札幌を拠点に制作・活動されている柿渋染め作家のキクチジュンコさんの展示DMを撮影・デザインさせて頂きました。(寝たきり生活をしつつも、はたらいていたんですよ!)

お楽しみの展示の詳細情報や制作の日々の記録は是非ジュンコさんのアカウント @kikuchijunko_ と、長年ジュンコさんを支えて来られたギャラリーオーナーで、札幌の古道具屋さんと言えばこの方、な十一月さん @antique_11gatsu をご覧頂くとして、drop around からは、今回のDMに込めた思いと、仕掛けのヒントを少し。

DM制作をお引き受けしてわかったこと。柿渋染め作家としてのキクチジュンコさんは、とにかく「感謝のひと」であり、お客さんへのありがとう、と溢れて零れそうな愛が創作のエンジンとなっていること。作品、といえども、暮らしの中でちゃんと道具として使えるものづくりを心がけていらっしゃること。ジュンコさんのお客さんたちが、子育てや仕事や介護などそれぞれの事情がありながらも、何年もジュンコさんのものづくりを応援してくれていて、何年もの長いスパンで支えてくれていること。お客さんや各地のお店さんに、つくることで応えたい、という真摯な姿。全部が格好よかったです。

作品が凛としているのも、染めの技術云々だけではなく、そういう精神があらわてるからなんだなあと心底尊敬しました。惚れ直しました.それで、ジュンコさんの思いと作品を「記憶に残す」ためのDMをつくろう、と思いました。紙のDMをつくる意味についても、問い直しました。DMの役割を、単なる情報の告知、から、手元に残るもの、になんとかシフトさせたい、という意地も湧きました。

そうしてジュンコさんと十一月さんの記念として残るもの、ジュンコさんのお客さんが、展示に足を運べても運べてなくても、おうちでしばし飾って眺められる手のひらに収まる作品集、展示に訪れたひとが作品と共に大切に持ち帰りたくなる手紙のようなもの、、そんな風な使われかた、届けかたが出来るといい、と思い制作に取り組みました。

キクチジュンコさんからのこの手紙、届いてからのお楽しみ、な仕掛けを仕込んでおります。送り主のジュンコさんがひたすらに大変なのですけれど、ジュンコさんが大切にしているたくさんのお客さま、お仲間さんの元にゆっくりと届いていきますように。十一月でも配布はじまります。仕掛けのヒントに、A面B面を。どうぞお楽しみに。そして10月の十一月藻岩へも是非足をお運び下さいね。