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竹富島
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一番好きな島はどこかときかれたら、迷わず竹富島の名を口にする。世界広しと言えども、あの島の美しさや豊かさに勝てる島なんてない、ときっぱり思っているから。それほどに、私はあの島を敬愛してやまない。竹富は私が思う、世界一の島なのだ。
竹富島というところは、沖縄本土から離れた石垣島から更に高速船で10分くらいのところに位置する小さな島だ。ガイドブックでは、たいてい1ページの半分くらいでしか紹介されないけれど、沖縄ならではの、住宅や集落が残っているため保護地区になっていることと、黒牛がひく牛車が有名なこと、白い砂の道が美しいというのがこの島の代名詞であるようだ。けれど、、私はそのどれが決め手になったというわけでもなく、当時好きだった映像作家が竹富島を舞台にして映画をとった、という理由だけで興味を持ち、同行の友達にお願いして、石垣島ニ滞在する際に、近いようだから、ついでに行きたいと主張したのがきっかけだった。今思うと竹富島をナメていたなあと申し訳なくなるくらいの期待しかしていなかった。滞在中の沖縄はすでに素晴らしかったし、小さな島もすこし散歩できたらいいな、くらいの気持ちだった。けれど、竹富島での時間は、私の沖縄体験の1番の宝ものとなる。その、竹富島でのできごと。
竹富島に行ったのは、数年前。はじめての沖縄旅行で、前半は沖縄本土を、そして後半に島をまわった楽しい旅の中でだった。竹富島に着いたのは、午後だった。あまり天気が良くなかったのだけれど、着いてすぐに『ああ、この島、好きになりそう。』と思った。根拠はないのだけれど、なんだか静かでおだやかで、老人のような島、という印象だった。目には見えないけれど、確実に竹富にしか流れていない空気や時間というのがあった気がして、私たちはすぐにそれに自ら飲まれていったように思う。本当に、この島での私達は、おじいちゃんおばあちゃんにあやされる子供みたいに、気持ち丸出しで、安心しきってぼんやりしたり、感動したりしていた。そして不思議と、自分の中に沸き起こるカンのようなものに、絶対に逆らわなかった。着いてすぐに、あああ、ずっと居たい、ここ。と思った私達は、すぐに宿を訪ねて連泊できるかを確認し、帰る予定だった石垣島のユースホステルにキャンセルの電話を入れて、東京に帰るギリギリまで竹富にいることを決めた。予定変更もなんのその、おかげで本当にゆったりした時間を過ごすことができたのだった。 |