授業中に書いた「はたらくくるま」の絵と、日記に書いた「やきとりをおいしくやくコツ」が面白くて妙にためになった(当社比)ことにより、描いてくれ、と編集長(母)にスカウトされ、日記と言いながら月に2、3回というゆるいペースで日記を発表します。現在進行形の「つくる、はたらく」小学生の体験絵日記のはじまりはじまり。
小学生絵日記 01
12月の絵日記「たまごやきにちゅうもく」


 
 

えにっきのついき

絵日記の作者は、今年の春に大きな町さっぽろから、小さな町トーヤに引っ越してきた小学1年生の女の子です。
彼女が小学校に入学するまで通っていた保育所は、町中にある認可保育所ながら、体幹を鍛えることに重きを置いた育ちの場で、夏は水と泥遊びでドロドロのびしょぬれ、冬は雪山で転げ回ったり馬に乗ったり、運動会では年長さん全員が逆上がりして、竹を登って跳び箱をポーンと飛ぶような、なんともアクティブに体を動かし、あたらしいことに挑戦しまくる生活でした。そんな毎日から一変、小学校に入ると体育くらいでしか体は動かさなくなり、得意だったリズム体操やボルダリングからも遠のくことに。平隠っちゃ平隠。
でも、今までの積み重ねが勿体ないよ、あたらしいことにチャレンジする気持ちが萎えちゃうんじゃないか?と、得意そうな習い事に体験参加させてみるものの、運動系にも文化系にもどうやら興味無し。あらまあ。
ならば家の中でできること、お手伝いしてもらいながら、生活を自分でつくっていく手助けにもなる何かはないかな?と考えて、毎日の夕ご飯の1品をつくってもらうことになりました。

「ママがさいしょにおぼえたりょうりはなに?」
「うーん。玉子焼きかな~。小学生の時、友達が作ってくれた玉子焼きが美味しくって真似したの。」
「じゃあ、なぎ(自分)もたまごやきつくるわ!」

ということで、毎日1たまごやき生活がはじまりました。
出汁をいれたり、具を入れてみたり、塩が効きすぎたり、うまく巻けなかったり、
1日として同じたまごやきにはならないのでした。
1日目で、「卵を巻いていく方向」をつかみ、
2日目には「余熱をつかって卵を固める」ことを覚え、
3日目には「油の量」を自分なりに決めるようになりました。
4日目には、お友達への差し入れとして2本を完成。
美味しく出来ても、しょっぱくって笑顔が歪んだとしても、それはすべて自分の手の中から生まれたもの。家族や友達が食べて「おいしい」と言ってくれたら、つくるのが、もっとたのしくなる。
たかがたまごやき、されどたまごやき。小学生の「つくるはたらく」第1弾の絵日記は卵焼きについてでした。すぐそこで見聞きしたこと、覚えて自分のものにした体験をぽつぽつ描いてもらおうと思います。

絵日記を描いたひと:なぎほ
 
みずうみと温泉のある田舎町トーヤに暮らす小学1年生女子。
つくることがすきで、紙粘土でつくった人形や動物をお祭りの射的のコマとして発表するなど、
「習うより先につくってみる」方式で、気まぐれになにかをつくるB型。
算数と図工と体育がとくいで、国語と道徳がきらい。drop around青山家長女。
つくることの他にすきなことは「土ようと日ようの午前中にダラダラすること」。