東欧のフォークロア 「布と刺繍の手仕事」

2016.06.29

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▲刺繍ピローケース/ルーマニア・カロタセグ地方(20世紀初頭)

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▲刺繍ベスト/ルーマニア・カロタセグ地方(19世紀末~20世紀初頭)
※上記2点は、Picnika津留慎太郎さんの撮影

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▲50cmからメーター売り可能な手つむぎ布も到着しました。すばらしい風合い!

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▲大きい布、小さい布、バッグや刺繍のものなど多数ご用意があります。

近づいて参りました、Picnika exhibition 「東欧のフォークロア」。
ハンガリー、ルーマニアの布もやって来ます。
手紡ぎの糸でざっくりと織られた綿、ウール、麻の布、
そしてそこにほどこされた長く伝わり残って来た刺繍の数々も素晴らしい。
意味や風習の強さを越えて、ただただ力があって美しい。

到着した布をじっくり手に取って見てみると、
長い時間をかけて今の姿になった「時間ごと織り込まれた」1枚1枚の布に、
じわじわと敬礼したいような気持ちが湧いてきます。
手でつくられたものの力って凄いなあ、と溜め息がでます。

知らない誰かの手仕事の跡を発見するのも面白く、
自分たちの暮らしの中で手に入る素材で、ひとつひとつを自分たちの手でつくり、
使い、ほつれたらまた治してあたりまえのように使い続けられてきた、
ものに残る暮らしの豊かさにもじわっと来るものがあります。

それだけ、今、自分たちの周りには「顔も暮らしも知らない誰かが機械で大量につくった、
便利だけど思い入れはそんなに湧かないもの」ばかりに溢れているのだよなあ、、、
必要なときに買って使っておしまい、のサイクルがこんなにも早い世の中だけれど、
そう遠くない何十年か前までは、わたしたちの暮らしだって
「自分の手で何でもつくる」「自分の暮らしに必要なものをつくる技術をもっている」
ことが当たり前だったはずなのになあ、と
ちょっとしんみりした気持ちにもなるのだけれど、
こういう美しい手仕事を通してそういうことがあたまをかすめる、
そのエッセンスを取り戻したくなる、というのも悪くないな、
古いものからもらえる力や智恵のひとつかな、と店主は思っております。
手仕事や古いもの自身は何も自分からは語らないけれど、
読み取るおもしろさに満ちているところが豊かだなあ、と思います。
いろんな気持ちや考えが膨らむ展示になったらいいなあ、とも思います。

現地の刺繍の図案帳や暮らしの風景を切り取った写真集もご用意頂きました。
津留さんご自身からも買い付け先のルーマニアやハンガリーで見たもの、ことを
いろいろ在店の時にお話してくださると思いますので、
是非みなさま、実物を手に取ってじっくり見て触れて「東欧のフォークロア」に
どっぷり浸かりに来てくださいね。
いよいよ、7月1日10時からスタートします。