Spring White.

2022.03.22

春に身に着ける白はとても眩しくて、気持ちがぐんと上がりますね。

drop aroundでも布やら紙やら日々たくさんの「白いもの」を素材に
あれこれつくっておりますが、白にもいろんな白があり
少し透け感のある柔らかいシャツの白、パリッと張りのあるワーク感ある白
皺が寄ることで質感が出る巾着の白、ハレの日のご祝儀袋の白 など、同じ白でも使われるシーンによって全く違う印象になって面白いなあと、並べてみると改めて発見があります。

春から着たいシャツやお祝いツールなどニッチで愉快なものや服がオンラインストアに入荷してますので、贈り物やご自身の春じたくにどうぞ。是非ご覧ください🙌

🔗store@droparound.com

さて、私たちがつくっているプロダクトやワークウェアは基本定番品中心です。
飽きずに長く使える、着られる道具としての良さがある、と自負しながら、小さな規模で今もつくり届けています。

定番推しゆえ、かたちも色も劇的には変わりばえしないことに申し訳なくなることもありますが、あえて変えません💪というわずかなパンクも込めてるため、愛用してくださっているお客さまにはそんなマイペースを受け入れ頂き感謝です。
しかも、現在は実店舗がない状態なのでリピーターさんやイベントで見かけた方がわざわざ辿ってオンラインストアに訪れて下さることが多く、有難い限りです。

新作もポンポンとは出さず、謎のペースで服をつくっているのは、自分の挫折体験と「アパレルブランドとはこういう作り方をしてこう売ります」という「その業界ごとのあたりまえ」に抗いたくてやっている実験でもあります。
(単に考えている時間が長くてリリースまで遅いというのはさておき🤣)

私自身が服づくりを学んでいた時に、つまりウン10年前のことですが、
ファストファッションが台頭して来て、海外で大量につくって安価に売り捌き、冬の間に夏物が売り場に並ぶ、いわゆるアパレルの先取りシーズン展開のスピードや生産ルーティンに目が周り、自分はそういう服が好きなのか?それを着て生きていきたいのか?
わからなくなったことがありました。

現在進行形でその世界線は今にも続いている訳ですが、目の前に広がるのは、どこのブランドのものなのか見分けがつかないくらい流行りの色かたちが決まりきった使い捨てのように扱われる服の山。

一方で本当に憧れる服は手が届く値段ではなく、そのギャップにクラクラ😵‍💫してしまい、服を着ることもつくることも大好きなのに、服作りの業界とシステムに全然馴染めず居場所がない、と感じ、あっという間に挫折しました。
当時はまだ「ないならつくる」には踏み出せませんでした。

以来、服づくりを離れてグラフィックとコミュニケーションを真ん中において、drop aroundとしてあれこれデザインするなかで、個人の作家さんや職人さんのものづくりを間近に見てこれた、という経緯と経験を経て、10数年のブランクを挟んで再び服づくりに挑戦してみている訳なのですが、dropとして自ら服をつくりはじめてからは「はたらく服」として衣服を自給するぞ、という気概を持って、常にその時々でのつくり方や価格、手渡し方に疑いを持ちながら、確かめながらつくっています。
疑いというと自信なさそうーとか、弱気な印象が湧くかもしれませんが、
間違いに気づいたらすぐに引き返すとか、このものづくりに関わってくれるひとの時間や手間を搾取するやり方は続かないぞ、とかちゃんと頭と心に叩き込んでつくっていかないと、また服をつくることが嫌いになっちゃうな、と思うのです。
ただでさえ服や製品をつくる工程は、めんどくて細かいことばかり。頭から煙が出ます笑。
それでもしがみついてつくっているのは服もモノも大好きで、つくること、かたちにしていくことがうんと好きだからです。

欲しいからつくる、だけではなく、必要なぶんだけ、納得いくようにつくる。
つくり続ける。は思っていた以上に険しい道です。
色んなことに抗いながら疑いながら、理想と現実に挟まれながら、
山の中の端っこで作り方や継続できる在り方、楽しみ方をこれからも模索していきたいと思います。

これを読んでぜひ買いたい!とはならんやろが😂もっと製品の良さを推せや!とは思いつつ、お客さまには「正直にまっとうに伝える」をスローガンに現場からお届けしました🤣
これからもdrop aroundを何卒よろしくお願い致します◯