ふるい布、あたらしい布。

2016.04.08

workcoat05

dropは二人揃って古い布、古い作業着、古いものがとても好きです。
東京・恵比寿時代のお店は国内外の古い物を売っていたり、
自分たちで買い付けにいくのがとても楽しくて、そのための旅も大好きで、
全国の骨董市や古道具屋さんに通ったり、海外の蚤の市にも度々出かけていました。
だから、自分たちの中にある「すきなもの」「いいもの」「うつくしいもの」の基準は、
古いものからずいぶん教えてもらったように思います。
古いものって、知らない誰かから手紙をもらっているような気持ちにもなるし、
使っていた人の暮らしや仕事の跡が垣間見えるのも面白い。
(そういった他人の跡や汚れが苦手、というひともいるでしょうが)

drop aroundの定番ペーパープロダクトのアイディアもデザインも、
何年も前にいた名もなき誰かが手をかけ工夫してつくったものものから、
長く働いて来てくたびれた姿を見て、発想したものが多くあります。
古いものの影響がすべてではないけれど、
長く働いて、今ここに残っているものの面白さと強さ、
今を生きる自分たちの「欲しい、自分たちらしく使いたい」の気持ちとの掛け合わせで、
製品をつくっているような気がします。

写真の肩掛けかばんも、古い布でつくったもの。
ざっくりとした麻の布で、ぱっと見た感じはフランス、バスク辺りの布のよう。
このストライプの布は、あまり日本っぽくないですが、九州で出た反物。
使用はされていなかったので、デッドストックということになるでしょうか。
反物の幅と生地の「耳」をそのまま活かした鞄です。
また、鞄の口が大きく開いているので、お財布や鍵、携帯などの貴重品が乱雑のばらけたり、底に転がらないよう、
内側には古いリネンのシーツでつくったポケットを脇に縫い付けました。

かっちりとしたリュックや鞄もいいけれど、
こんな風に洋服やコートのくったりとした風合い、
旅人にも似合う肩掛けかばんがあってもいいかな、と。
とてもいい鞄になったと思います。

私たちはデザイナーなので、大きな紙や書類が入ることも実は大事。
A4〜B4のファイルやPCもやすやすと入りますので、
大きな紙を持ち歩くひともぜひどうぞ。

stripe-bag