土はあたたかい。

2015.01.12

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M&Wの1月営業、無事に終わりました。
ご来店くださったみなさま、どうもありがとうございました。
お正月明けの連休、遠出された方も多いかもしれませんね。
我が家には30代の中年ふたりとソーヤングな3歳児しか居ないゆえ、
成人の日にはあまり関係がありませんでしたが、
街のそこかしこでふわふわキラキラのお着物姿の美人を見かけました。
今年成人されたみなさん、おめでとうございます。

さて、華やかな成人の日にまったく関係なく唐突で恐縮ですが、
写真のこれは、M&Wの前の雪山(夏は庭と菜園)の下に存在していた雪室(ゆきむろ)。
dropは札幌に越してきて以来、仲間と畑をやっていまして、
その畑でとれた大切な野菜を長く食べ続ける知恵として、雪室での保存にトライ。
雪がどっさり降る前に庭の一部の土を掘り、
筵(むしろ)をひいて大根をくるんで埋めておき、
2ヶ月ほど経ったちょうどこのタイミングに掘り返してみました。

土に大根を埋めたのは、まだ初雪を迎えたばかりの頃だったので、
この庭、どれくらい雪に埋まるんだっけ、、、あはは。
なんて、余裕の心持ちで見ていたものの、
たった2ヶ月の間にどっさり1Mくらいの雪が降ってどんどん庭も雪室も埋もれていき、
愛しの大根たちは大丈夫なのか?!生きているのか?!と次第にそわそわ。
雪室にした場所に目印として棒を立てていたからよかったものの、
掘り起こす作業は、大人二人掛かりのけっこうな労働でした(埋蔵金発掘の心持ち)。
筵の中から出てきた大根は、みずみずしさはそのままキープ、
生で食べてもうんと甘く美味しくて、雪室の威力を思い知った次第。
雪ノ下大根、うまい!そして土ってあったかいんだね!えらい!

北海道は食べ物を生み出す場としてとても自給率の高い土地ですが、
雪に覆われるこの季節は、地場の野菜がどんどん減ってきます。
年間を通して冬も野菜が育てられる温暖な地域がとてもうらやましい。
だからこそ、自分たちの目の前で育ち、実った自前野菜はとっても貴重です。
どうやったら長く美味しく頂けるか、
余すことなく畑からの恵みを堪能し尽くせるか、日々試行錯誤中。
そのヒントは、昔から続く北国の知恵の中から見つかりそう。
いろんな人に聴いて試して、少しずつ身につけたいと思ってます。

どの場所、地域に住んでいても、
その場所にあった暮らしというのがきっとあるのだと思いますが、
自分たちにおいては、北海道に居るからには耕さないと損、と思ってます。
私たちが暮らす札幌は、中心部はなんでも揃う大都市機能がありつつも、
ちょっと車を走らせたら耕せる場も見つかる、土がまだ生きてる場所でもある。
店をやったり、デザインの仕事をしているその一方で、
私らのようなドがつく素人でもやる気さえあれば、
畑を共有したり、小さな自給を試みることができるというのは、
コンテンポラリーな開拓民または現代的百姓になれる可能性を感じます。
鞄の中にMacbook proと鍬が一緒に入ってる感じでしょうかね。

貨幣社会に生きているし、ものを生み出す立場でもありますが、
今後はお金をたらふく稼ぐより(いや、稼げるものならドンドン稼ぎたいものですが)
自分が食べているものの半分くらいは自給できている、とか、
その残り半分も物々交換で買い物ほとんどしなくてもなんか生きていけるわ
という暮らしが心身ともに豊かではないか、と考えています。
で、考えてる間もないうちに実践がはじまっております。
製品づくりのDIYやSTUDYも続きますが、
その大前提である「北国で生きる術」のDIYも続きます。
あたたかい地方にお住まいの方には「気の毒」に思われそうですが、
生活上必要なDIYのはなしもたまにお伝えしていきたいと思います。