椿野恵里子 2018 Calender

2017.12.12

島根在住のフォトエッセイスト・椿野恵里子さんの2018年カレンダーとポストカードセットが、全国にて発売中です。

2000年からずうっと、季節の花や古いもの、くだものなど自身の暮らしの中で切り取った写真をカレンダーとして設え、販売を続けてきた椿野さん。もう写真のカレンダーといえば椿野恵里子さん、、というくらいにたくさんのひとの一年のスタンダードとなっているこのカレンダーの2018版デザインを、drop aroundで担当させて頂きました。
出来上がってかなり経った今もまだ畏れ多すぎて。
い、今頃のお知らせですみません。。

カメラで静物画を描いているような、静かで美しい写真と季節の色。無駄なく日付が並ぶさま。
そもそもリニューアルの必要がないくらいに完成されている椿野さんの写真と言葉のカレンダー。
これのどこに手を入れる余地がある?と自問自答の日々。
椿野さんも椿野さんファンの皆さまも大変にお待たせしてしまいましたが、今年のカレンダーはこんな風になりました。大きく変わった点は、外のスリーブ紙がモノクロではなくカラーになったことでしょうか。それ以外は、実は何度も何度も変えては戻し、を繰り返して、ぜんたいには「がらりとは変えない」装幀を選び、この姿に落ちつきました。
写真も元の意匠も美しいので、なるべくそのままで。毎日の中でふとした時に目を奪われて、季節の匂いや気配を感じるカレンダーになっていたら嬉しいです。
しかし、デザインという仕事は難しい。向いてねえな、と何度も2人で言い合う。
今回はとくに、難しかったです。

「必要のない意匠はいらない」「余計なことをしない」をdropでは念頭に置いてデザインしているので、作家さんのプロダクトや作品に寄り添うものは一層難しい。個性ってなに。美しい状況って。新鮮で、そのまま食べるのが一番美味しい素材を焼くのか煮るのか蒸すのか、塩をふるの、スパイスをふりかけるの、の感覚に近しい。食材を生かすも殺すもシェフ次第。やっぱり生のままでいいじゃん、とれたまんまが美しいよね、と毎回のように思うのです。「デザイン」と呼ばれる作業やしごとが、その良さ美味しさを邪魔していないか、その感覚が手にしたひとと共有出来てるか、つまりは伝わってるか?という根源的な問いと毎回小さく大きく闘いながら、時に負けたり納得しながら、つくるしかない。そして、悩みながらもやはり、作り手さんが生み出す世界の美しさに救われる。
デザインしている間、最新で最上の椿野さんの暮らしの断片、写真と言葉に向き合えた幸福に感謝しています。椿野さんにお会いしてから恐らくもう10年以上経ちますが、ずっとファンです。椿野さんの見ている世界がとてもすき。8月、、が写真と文字組ともに一等すきです。
皆さんそれぞれのお気に入りの月が見つかりますように。

さて、完成&納品しておしまいではなく、関わったものがひとの手に渡り、もので売上をきちんと出す、までが自分たちの仕事と思っているので、あんなに人気で売れ売れのカレンダーの売上を下げたらほんまどないしよ、と関西弁でうじうじしている間に、やはりロングセラー、トップセラーとしていろんなお店さんでも注文が絶えないようで。
椿野さんご本人もいま出荷ラッシュに追われてらっしゃいますが、びしばし全国のファンの皆さんからの注文に応えてらっしゃいますよ。@tsubakino_eriko 椿野さんのインスタグラムからも、注文と発送を受け付けてらっしゃいます。いつも買っている方は、取扱店さんにもお尋ねくださいね。年を越しても、カレンダーもポストカードも在庫の許す限り発送してもらえますので、わー忙しくてまだ買えてなかった!でも欲しい!という方は是非今からでも手に入れてくださいね。
2018年も美しい風景に出会えますように。

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